私がウサギを飼おうと思ったきっかけ
私は小学生の時にウサギを飼ったことがあります。
その理由は、とあるペットショップで見たウサギがあまりに可哀想だったからです。
母との買い物の途中で、何気なく前を通ったペットショップの入り口にウサギがいました。
普段なら「可愛いな」と言って通り過ぎるのですが、その時のウサギは小鳥用の小さなケージに入れられていて、跳ぶどころか身動きもできない状態でした。
とてもストレスなのでしょう、横になることもできずに、ただ辛そうにぐったりとしてハアハアと呼吸をしていました。
子供心にとても胸が痛みました。
お店の人に「もっと広いところに入れてあげてください」と言いたくなりました。
でも、子供の私にはそんな勇気はなかったのです。
母に急かされて私はその場を離れましたが、夜になっても次の日になってもウサギのことが頭から離れませんでした。
なんとかできないかな、そう思って兄に相談しました。
兄は一応話は聞いてくれました。できたら飼ってあげたいと相談しましたが、それは母が許してくれないだろうと言われました。
母は動物の毛を異常に嫌がる人で、動物を飼っている人の食べ物は絶対に口にしない潔癖で神経質だったのです。
それから毎日ペットショップに行ってウサギの様子を見ましたが、相変わらず狭いケージに入れられてぐったりしています。
私はもう堪らなくなって、兄に泣きながら「どうにかしてほしい」と頼みました。
すると兄は一緒に考えてくれて、母に長い時間かけて説得してくれました。
ウサギはリビングやダイニングには絶対に入れない。世話も妹がする、迷惑はかけないから。
そして何より、妹の優しさを無下にしたらわだかまりが残るよと言ってくれて、渋々母は承知してくれました。
現在、関西でも名前が知られているくらいの営業マンですから、説得力は凄かったのです。
おかげで例のウサギを飼うことができました。
ウサギが可愛かったのもありますが、私に飼われて広いケージに入れてから元気になってゆくのを見るのがとても嬉しかったのです。
残念なことに病気で亡くなってしまいまいたが、最後まで私に懐いてくれていたので今でも忘れられずにいます。