ウサギと一緒に飼いやすい生き物

「ウサギは孤独だと死んでしまう」というのはさすがに俗説に過ぎませんが、ウサギが寂しがり屋なのは確かなようです。ウサギを多頭飼いしても良いのですが、他の生き物と組み合わせて飼っていらっしゃる飼育者さんもいます。

ウサギと一緒に飼いやすい生き物で、特におすすめなのがリクガメです。

哺乳類と爬虫類の組み合わせなので、相性は良くなさそうに思われがちですが、実際のところウサギとリクガメには多くの共通点があります。

そのひとつが「エサ」です。ウサギが好むエサとしてはチモシーやタンポポ、葛の葉やオオバコ、ニンジンなどさまざまありますが、これらはすべてリクガメの好んで食べるエサです。ウサギの理想的な給餌メニューは「カルシウム含有量の多い野草と野菜」であり、この条件はほぼそのままリクガメ飼育にも当てはまります。

逆に、ウサギにとって不適切なエサとしては「シュウ酸含有量の多い野菜(ホウレン草など)」ですが、これもそのままリクガメに当てはまります。

飼育環境は完全に同じとはいきませんが、ウサギとリクガメの同時飼育ではエサが共通しているので育てやすいというメリットがあります。

一方で、適切な環境温度についてはウサギとリクガメとで違いが見られます。ウサギは暑さに弱く環境温度は28℃以下するのが望ましいですが、リクガメだと28℃で丁度良いくらいです。冬場もウサギケージは20℃以上の設定で大丈夫ですが、リクガメケージだと24℃以上は必要です。

こうした適切な環境温度がリクガメとウサギとでは異なりますので、エサは同じにするとしてもケージは個別にしてそれぞれサーモスタットで温度管理するのが良いでしょう。

リクガメがウサギに懐くことは稀ですが、相性自体は悪くありません。動物園のふれあい広場でもリクガメとウサギが同じ場所にいることが多く、互いに草食動物であるため噛み付いたりちょっかいをかけたりといった心配も少ないです。

ただ、リクガメもウサギも臆病ないきものですから、個体がストレスを感じている場合には一緒にしない方が良いでしょう。